Brexitって実は国がかりで壮大なコメディでもやってんじゃないのか、って思った話
イギリス史に残る国民投票が行われ、結果イギリスはEU離脱に向けて舵を切る事になりました。このブログでは私自身政治に疎いこともあってあまり取り上げるつもりはなかったのですが、ことの重大性もあり、イギリスに身を置くものとして少し取り上げて見ようと思います。と言ってもまじめにやるつもりもあまりないのですが(爆
国民投票の結果が出るまで、と出たあと
投票の結果が出る前の下馬評では半々に意見が割れ、どっちに転んでもおかしくないというのが一般の見方でしたが、私は大差でEU残留に決まると思っていました。EU離脱派の意見はおかしい所だらけだし、身の回りでは残留派の方しかいなかったため、EU離脱に流れるという未来が想像できなかったからです。そのため、始めの頃はさして興味もなかったのですが投票日が近づくに連れて周囲の緊張感が高まってきたこともあり、開票時にはネットでツイッターやりながら(下記参照↓)BBCをしばらく観ていました。
イギリスにもこんなハゲ散らかしてる人いるんだ…、という不謹慎な思い。 pic.twitter.com/3IvsIfF9ez
— アキヒト (@akihit_) 2016年6月24日
結局途中で寝てしまったので、朝起きて結果を知った時は一体なんでこんな結果に?というのが率直な感想でした。以来、ネット上での記事は色々読んでみたりしたのですが、主にニュースサイトは残留を支持していた物が多かったがために、EU離脱となった結果を憂い、揶揄するものが多かったです。つまり私の知る限り、EU離脱を評価しているメディアは少なかった。
心理的にそういった報道に流れてしまうのは「理解できる」というかむしろ当然の流れだろうと思います。ですがいかんせん耳を疑うような話ばかりでてきて今やイギリスは国がかりで壮大なコメディでもやってんじゃないのかってぐらいの気がしてきました。
そんなネットでの記事を幾つか紹介していきます。
おいおいおい...って言いたくなっちゃう記事の数々
EU離脱に投票したが、やっぱり間違いだったと思う、とか言っちゃう
EU残留の意見には賛成だったが、残留派のやり方にもうんざりしてたので、反抗心ながらに離脱に投票してみたら、離脱に決まっちゃってびっくりした、みたいなそんな方の心情が綴られています。この方はロンドンに住んでる人みたいですが、これがいわゆるBREGRETの意味なのかな。
いや、はっきり言ってね、もうね、キミはね、アホかと。離脱に投票するってことはそういう結果を望んでいるという意味にしかならないんだよ、って小一時間問い詰めたくなりますが、コメント欄みたら既に一杯あった(笑)
この記事以外にも、「離脱に票を入れたけどEUを離脱するなんて思わなかった」的なコメント言ってる人はけっこういるみたいで、ほんと素で、ん?ってなる。
民主主義ってなんなんだっけ?みたいなことを考えさせられますな。
2回目の国民投票のための嘆願書を作ったのは私です、って離脱派の人が言ってる
こちらの見出しだけみると、1個目の記事と同じようにBREGRETの精神に則って結果が出たあとで改心して2回目の国民投票をやるための嘆願書を作ったのか、って思ってしまったのですが内容見るとちょっと違います。
記事の内容の前に、国民投票の結果が出るやいなや飛ぶ鳥を落とす勢いでついに4百万の署名を集めるに至った2回目の国民投票を行うための嘆願書がございまして(下記リンク参照)
Petition for second EU referendum reaches 4 million as hundreds attend anti-Brexit protest in London
イギリスのインターネットを使った嘆願書(Petition)は、署名数が1万を超えた嘆願書にはすべて政府が対応し、10万を超えた段階で議会での議案対象となる、というルールの元で運営されており、民間の声が議会に届きやすい仕組みになっています。
これはイギリスに住んでいる人なら参加できるものなので自分も票を入れてます。その時はすっかり国民投票の結果が出たあとで始まったキャンペーンなのかと思っていました。
ところが記事を見ると実のところこの嘆願書、国民投票の結果がEU残留となる結果になることを予想して離脱派の人が予め作っておいたものだというからもうこれは一体なんなんだと。
さぞや本人も相当な葛藤を抱えてるのかと思えば「この嘆願書を作ったのは私です、未熟な行動だった」と認めつつも「投票の結果は尊重されるべきだ」とか「この嘆願書は今や残留派に乗っ取られた」とかFacebook上で言い出しちゃう始末(参考)。
その文書に対するFacebook上のコメントが色々辛辣なものが多くて大変面白い興味深いのですが、端的に一言で返すならってのがありましたのがコチラ↓
負けてたらやり直しをしたかったクセに、実際勝ったらその嘆願書を使ってる人に対して怒るわけね。
楽しんで!
転ばぬ先の杖のつもりがどデカいブーメランだった感じですかね。卵が先か鶏が先か問題のように、どこか考えさせられる事象ではあります。
"離脱"結果が出たあとで”EUって何?”についてGoogle検索する人が急増しちゃう
これについては日本のニュースサイトでも取り上げられているものがたくさんあったようなのですが、これもタイトルだけ見ると「え!?今更!?」という感想でした。
"EUって何?"の他"EUから離脱したらどうなる?"、"他のEUの国はどこ?"というワードでの検索も急増したそうです。
とは言え、考えてみると、残留を信じてた人たち、投票権を持たない人たち、あるいはどちらにも当てはまる人たちが結果を見て焦った、というケースはかなり多いのではと思います。だって離脱に票を入れた人たちがこのタイミングで調べ出す、ってのは、考えにくいよねぇ…。
ドナルド・トランプがやってきてココぞとばかりに大ボケかましちゃう
こうした国内外からメディアの視線が集中する先にはよくも悪くも時の人、ドナルド・トランプも俺も混ぜろと言わんばかりにやってきました。
もともとドナルド・トランプもイギリスのEU離脱に賛成だったこともあり今回の結果について賛辞を送るつもりだったのでしょうが、彼がやってきたのはスコットランド、エリア別の投票結果では割と差をつけて"EU残留"が支持されたその地でした。
スコットランドについてまずつぶやいたと思われるツイートがコチラ↓
Just arrived in Scotland. Place is going wild over the vote. They took their country back, just like we will take America back. No games!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2016年6月24日
スコットランドは投票結果について熱狂している。彼らは国を取り戻した。アメリカが今後そうするように!ってな感じですかね。
別にUK全体で見たら離脱を選んだわけだし、そういう表現にすれば突っ込まれずにすむ所をわざわざScotlandって言葉を使っちゃうあたり、ホントに結果見たんかい、って疑われるのも無理はない感じ。まぁ、ホントに熱狂してるのかもしれんけど。
しかし、イギリスがEU離脱となった今、次期アメリカ大統領がドナルド・トランプってのもさらに現実味を増してきた感じはありますな。
まとめ
以上、かなり恣意的にまとめてみましたが、どうでしょう。この国民投票の全てがなんだか冗談みたいに見えてきませんか?
個人的な考えとしてはおそらく、ニュースメディアの離脱を受け入れたくないという姿勢が如実に現れているのだと思います。冗談にならない話ほど、冗談だったことにしてしまいたいものなのかもしれません。
国民投票のやり直しも非現実的な話のようですし、今後は極力悪影響を出さないようにEUを離脱する方法を前向きに考える、というのが残されている道のように思います。EU離脱までは相当時間もかかるようですが、今後も注視していきたいです。