ハタを立てろよ!

ワーホリで英国に来た男の一旗揚げるまでの軌跡と雑記になる予定。

【コメディ大国?イギリス】Bethnal Greenのスタンダップ・コメディに潜入してみたぜ!その2

スタンダップ・コメディを鑑賞してみた日記の続きです。

その1で観客と演者の距離感について触れましたが、その他にも思ったことがあったのでそれらについて書きたいと思います。

日本のお笑いと対比しながらの感想になりがちですが、私は日本のお笑いはもっぱらテレビでしか見たことがないので、正確な比較にはなっていないかも知れませんのであしからず…。鑑賞中の英語の問題もあるしね…。

 

http://www.flickr.com/photos/27073477@N00/5462771021

photo by TheeErin

「1人でステージに立つ」というスタイル

落語家や、ピン芸人は日本にもたくさんいますが、スタンダップ・コメディというジャンルは(観客がステージに呼ばれるような事態を除いて)一人でひたすら話を盛り上げていくことになります。しかもただ覚えてきた話を披露するだけだけじゃなくて、客との掛け合いもあるためその都度アドリブも入れることになるし、要求されるスキルも大分異なっているような気がすします。

実際、あ、これアドリブで言ってるな、と感じた場面は全体の2割強はありました(筆者の体感)。

一人あたりの持ち時間は、15分〜20分くらいだったかな。話題はコロコロ変わります。個人ごとに喋り方や、服装である程度差別化を図っているようにも見えましたが、ほとんどは素のようにも見えましたし。概ね演者の方はネタで勝負しているって感じの印象を受けました。

 

 

取り扱う話のジャンル

次は扱っているネタといいますか、話題ですね。

日本でのお笑いと言うと、特に最近はその場で特定のシチュエーションを想定してのコントをやったり、キャラ設定を作ってそこから話を広げるようなパターンが多いと思いますが、こっちで見たのはもっぱらに近い。タイプで言うとあるあるネタが多かった。例えば、Googleを使っていたらこんなことが起きた、チャイナタウンでこんな光景を見た。◯◯地方の英語のアクセントがこうだった、などそこから話を膨らませて行くといったパターン。

それと、時事ネタ。通常なら話題にすることが憚れるような話にも手を出します。例えば、テロとかLGBTとか。これは勝手な想像ですが、こうした普段話したいけど、話せないようなことに思いっきり言及していくことで、観客の人たちは普段話せないでいたストレスみたいなものが発散されるんじゃないでしょうか。テロと宗教の話題になった時とかこの中にイスラムの人いたらどうすんの?って感じで何故か私がヒヤヒヤしてましたけど、周りは爆笑。そういうものとして受け止めるしかないかな。

さらに想像するにロンドンという街が移民も多く、多様性に溢れている場所である以上、人種間の摩擦は避けられないだろうし、国際情勢にも関心無しではいられないと思います。日本でこういう時事、ニュースを取り入れた笑いがどれだけウケるのだろうかとふと考えてしまいました。

あとは多くは語りませんが下ネタも多かった(英語でも一番わかりやすかったので、こういうとこばっかで笑ってた自分は相当下ネタ好きだと思われたに違いない)。

 

観客の層

上記のようなことも合わせて、鑑賞しながらこの時、綾小路きみまろを思い出してましたけど、なんか違うな。という気もしてました。

それがなんだったか、帰り際になってわかったのですが、観客の層にはほとんど偏りが見られませんでし。バーと隣接してるということもあるので、子供なんかはいませんでしたが、それを除けば若者から中高年の方まで年齢層は幅が広かったです。

この点(日本ではお笑いのステージを見に行ったことがないので想像になってしまいますが)、日本だと流行りのお笑い芸人目当てならばなんとなく若者、特に女性が集まるイメージがありますし、落語なら中高年という風に偏りが出てきそうな感じかと。

ただ、世代間は統一性が見られないものの、国籍というか人種というか、その辺は割とまとまっているように見えました。恐らくほとんどがイギリス人。この辺は国民性というか、そもそもネイティブレベルの英語力がないとつまらなくなってしまうのかも、ということを考えれば当然かも知れませんが。

層、という点からは少し離れますが、ピザつついたり、ピッチャーでビールを飲み交わしながら鑑賞している人たちを見ると、このコメディという場が一つの社交の場であるようにも思えました。休憩時間に限らず隣席と会話している人はけっこういましたし、久しぶりの再会であったであろう紳士達の会話のハシからは「今度スタンド・アップコメディでも見に行かないか?」という会話があったのかなかったのか等想像の根が及びます。

 

というわけで、周りがおよそ引っ切り無しに爆笑している中、冷静にそんなことを考えておりました。

 

コメディそのものを楽しむためにはかなりの英語力と文化的な面での理解も求められますが、色々思うところもあって楽しかったです。

 

 帰り際の風景。

終わります。

 

Wikiからトリビア

As the name implies, "stand-up" comedians usually perform their material while standing, though this is not mandatory.

参考:Stand-up comedy - Wikipedia, the free encyclopedia (英語)

 

 

その1はコチラから↓